シニア猫になると、口腔内の病気にかかりやすいと聞きました。具体的にどのような病気になってしまうのですか?
1.シニア猫の口腔内事情
飼い始めた時はあんなに小さかった愛猫も、時の流れとともに年をとり、やがてはシニア猫世代に突入します。そして猫も人間と同じように、年齢を重ねるにつれて体の様々な部分に“ガタ”が出てきます。
それは口腔内に関しても同じで、猫は年齢を重ねるともに歯石の量が増えたり、歯周病になってしまったりします。
というのも、どんなに念入りに歯磨きをしていても、やはり磨き残しというものは出てきます。そしてその磨き残しは年齢とともに増えていき、それが石灰化して歯石となってしまうのです。またシニア猫は若い猫と比べると抵抗力も弱っているため、とても弱い細菌でも歯肉炎や歯周病を発症してしまうというわけです。
2.シニア猫に多い口腔内の病気
猫もシニア世代に入ってくると、シニア猫特有の病気になることがあります。そこでここでは、シニア猫に多い口腔内の病気についてご紹介させていただきます。
シニア猫に多い病気に、破歯細胞性吸収病巣(はしさいぼうせいきゅうしゅうびょうそう)があります。
あまり聞きなれない名前ですし、漢字がたくさん並んでいるためなんだかよくわからないという方も多いと思います。破歯細胞性吸収病巣とは、歯の根っこ部分である歯根が溶かされて吸収されてしまう病気です。
上でも説明したように、猫も年齢を重ねてくると歯の表面に沢山の歯垢が付着してきます。歯垢とは食べカスに細菌や雑菌が繁殖してペースト状になったものですので、歯垢の周りの歯茎には細菌による炎症が起こってしまいます。
こうして炎症が起こった部分には、「破歯細胞」という骨を溶かす作用のある細胞は集まってきてしまいます。そしてこの破歯細胞は猫の歯をどんどん溶かしていってしまうのです。
猫の歯は、表に出ている部分に関してはとても硬いエナメル質でできているためそう簡単には溶かされることはありません。これに対して歯根部分は、エナメル質よりも柔らかいセメント質でできているため、比較的簡単に溶けてしまいます。
そうすると、まずは歯根部分が溶かされて穴が開いてしまいます。そして症状がどんどん進んでいくと、歯根が溶けてしまった歯は顎の骨(歯槽骨)に吸収されてしまうのです。
この病気は、「破歯細胞」が原因であることはわかっているものの、そのほかのことに関してはまだ研究段階にありわかっていないことが沢山あります。そのため、治療法といっても抜歯をすることくらいしかないのです。
こういった病気の存在も考えてみると、いかに歯垢や歯石が歯に付着するのを予防することが大切かということがよくわかりますね。
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