猫の歯にも人間と同じように歯石がつくと聞きました。そもそも歯石って何ですか？

１．歯石とは

「猫の歯にも歯石がたまる」、「猫も定期的に動物病院で歯石を除去してもらった方がいい」、「愛猫の体調が悪いと思ったら歯石がたまっているのが原因だった」など猫の歯石に関する様々なエピソードを聞いたことがあるという方も多いと思います。
では、そもそも歯石とは何なのでしょうか。ここでは、歯石についてご説明させていただきます。

歯石とは、歯に付着した歯垢が石灰化したもののことをいいます。「口の中なのにどうして石灰化するの？」と不思議に思いますよね。
実は猫の唾液の中には（猫に限らず人間もなのですが）、カルシウムという成分が含まれています。そして歯の表面に歯垢が付着していると、その歯垢に唾液の中に含まれているカルシウムがくっついてしまいます。
そしてカルシウムがついた歯垢が石灰化してしまい、歯石になってしまうというわけです。

では、歯石の原因となる歯垢とはいったい何なのでしょうか？
歯垢とは、歯の表面に付着した食べかすに様々な細菌が付着して塊となったもののことをいいます。「歯垢」というと、単に食べかすの塊のように思われがちですが、実は歯垢というのは細菌の塊であるというわけです。
細菌の塊が石灰化して歯石に・・・なんて、考えただけでゾッとしてしまいますね。

２．歯石が体に悪いワケ

「歯石が多くなってくると動物病院で歯石を除去してあげたほうがいい」というのは、愛猫家であればほとんどの方がご存知の事実です。では、どうして歯石を除去しなければならないのでしょうか。
それは、歯石を放置していると猫の健康に良くないことが沢山起きるからです。

まずは歯茎が腫れたり、歯茎から出血しやすくなってしまうということについてです。
上でも説明したように、歯石は細菌の塊である歯垢が石灰化したものですので、歯石を歯につけたままにしているということは、細菌の塊を歯につけたままにしているのと同じことになります。
そして長い間歯石にさらされた歯茎は、炎症を起こしてしまったり、それがもとで出血しやすくなってしまったりするのです。

また歯石による影響はこれだけではありません。
猫も人間と同じように、歯石を放置していると歯周病になってしまいます。そして歯周病になると、歯を失ってしまったり、歯を支える骨が溶けてしまったり、最悪の場合は歯周病菌が血管を通って心臓に到達し、命を失ってしまうこともあるのです。
こうして考えてみると、歯石とは愛猫の健康にとって脅威的な存在ともいえますね。

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